2010年12月12日日曜日

肉を食べるということ

こだわりの集いのクライマックスは、最終月に2週連続で鶏を調理する試みでした。

農作物の栽培に当たる飼育は無理なので、収穫すなわちシメることからでしたが、これが大騒ぎでした。
みずからの手で命を絶ち、感謝していただく、という貴重な体験ですが、日常はどこかで誰かがしている事実です。

※“いのちの食べかた”(原題Our daily bread)という映画でヨーロッパの現状がわかる。

なあんてまたエラソーなこと言ってる自分も初めての経験でした。

都会暮らしの大人が初めて鶏を殺すのはある意味とても興味深いものでした。
そしてシメてしまえばそれがあっという間に“もの”になってしまって、皆さばさばと作業を進めていたのがなんだかおかしいくらいでした。

今年、宮崎県で家畜の口蹄疫が広がり、殺処分された牛や豚は288,643頭だったそうです。
中には被害拡大を防ぐために健康なものまでが殺されました。
ニュース報道だけでは現場の実情がわからず、「ずいぶん機械的に処理するなあ」などと思っていましたが、じつは一人ひとりの畜産農家の思いは複雑だったようです。
プロはぼくらほどナイーブではないでしょうが、それでもせっかく育てた牛や豚を甲斐なく殺すことへの無念はあったでしょう。
口蹄疫自体は人の健康には影響しないが、畜肉の品質低下が値崩れやブランド価値の低下につながるらしい。
大規模な畜産と流通と消費のシステム上のトラブルであって、動物は機械的に処分せざるをえなかった。

肉食に関してはさらに家畜の飼料の問題があります。

現在主流の配合(濃厚)飼料は、大豆とうもろこしなどの穀物原料をほぼ100%輸入に頼っています。
2年前の世界的な食糧危機は穀物価格の高騰が原因だったそうですが、この穀物の高騰自体、中国をはじめとした新興国の肉食の急増が一因でした(中国も飼料用穀物を輸入しています)。
今や世界中が穀物を奪い合うような状況にあります。

金持ちは肉を食べて穀物をどんどん消費していきます。
そしてお金のない人は自分が食べる分の米や小麦やとうもろこしが手に入りません。

どこかおかしくないですか。

そして日本が輸入している大豆とうもろこしのほぼ100%が遺伝子組み換えです。

0 件のコメント:

コメントを投稿