2011年10月26日水曜日

タネを残そう!

自然農をめざす秋生農園さんの大きな方針のひとつが作物のタネを採ること。

自家採種の試みでも触れたように市販の種はほとんどが自分で種採りできないように作られていて、やってみればわかるが年々野菜の質が落ちていく。
つまり種苗メーカーが「毎年タネを買ってね!」というメッセージを発しているわけだ。
われわれの日常感覚は完全に工業化されてしまっていて、なんでもかんでも次々に買い換えていくのが当たり前。
園芸店やホームセンターに行くと季節ごと野菜の種のコーナーが入れ替わっていて、知らず知らずそれがふつうのことと思い込んで種を買ってしまう。

でも待てよ、むかし子どものころ夏に育てた朝顔やひまわり、ちゃんと種がついてたじゃん。
それを次の夏までとっておいて使ったかどうかは定かでないが、学校教育的には「採った種をまけばまた朝顔が芽を出します」のはず。
どうなんだろう、こんな草花まで年々劣化してしまうんだろうか。
親が意識してしつこく毎年タネ採りして育て続け、5~6年後の成果を子どもに見せ、中学に上がる頃に「世の中じつはこうなんだよ」と教えてやるのもいいかもしれない。

秋生農園さんの行動も、工業化された農を回復するためのささやかな反発なのかもしれない。
反発しようにもメーカー品の種から始めたのでは無駄な抵抗に終わるため、彼らはメーカーで開発した(…ってホント工業製品だよ)F1種ではなく、今では貴重ないわゆる在来種を入手している。
ネットで調べればけっこう各地で保存活動が盛んで、各地域の伝統野菜の種が手に入るのだ。
インゲン豆を守る人々の北海道産在来種の豆も手に入る。
http://www5c.biglobe.ne.jp/kiyomi65/beniya/index.htm


内村鑑三『後世への最大遺物』という本を図書館で借りてきた。
どうやら内容はイメージとはやや異なるようだがタイトルに惹かれた。
タネこそ、後世への最大遺物だろう。

そして“後世への最悪遺物”がアレですね。

山口ブログ

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