2011年11月3日木曜日

後世への最悪遺物について

昨日、朝日新聞紙上で見つけた記事。

ことば
小澤征爾さん(指揮者)
今年の世界文化賞を受けた指揮者の小澤征爾が、受賞者会見で「僕の先生たちはよく、『知らないことはよくないことだ、罪だ』と言っていました」と切り出し、原発事故について語り始めた。
「僕は、原発は地球を汚さないし安いし、人間が考えた素晴らしいものだと言われ、そう信じていた。それは、知らなかったわけです。前にも事故があったけどピンとこなくて、また起こるとは思っていなかった。要するに、本当に知らなかった
その上で、今年この賞を日本人である自分が受ける意味について、「だから、僕にとって今年は非常に恥ずかしい年。その年に賞をもらうことは、運命だと思っています」と話した。
(下線筆者)


原発の真実を知らずにきたこと、度重なる事故の報道に接してもなお知ろうとせず、そして今再びこの度の決定的な事故についても忘れようとしているわれわれ日本人。

知らぬまま己の一生を通過できればよいと考えることの恥。
現世を無事乗り切れたと思っていることの恥。

少なくとも知らずにいられた、平気で生きてこられたということの後世に対する決定的な恥。

そして、知ってなお平気でいられる、恥を感じぬ精神、すぐにまた忘れられる感性。

これがタダじゃ済まないことを人間の魂はほんとうは知っている。

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