2011年2月16日水曜日

東京を離れて失ったもの

田舎に来て、畑などに接する機会ができた一方、東京育ちを引きずった趣味の方面では事欠くことが多かったのも事実だ。

まずレコード・CDに関しては、当初からあきらめていたのでほどなくHMVオンラインショップでの購入がメインとなった。
地元には老舗のレコード店もあったが、2001年に閉店(クラシックのコーナーも充実していて地方の店っぽかったのに残念…)。
そしてなんと去年には渋谷のHMVまでが閉店。
時代だったのか…。

次にだが、移った当初から地方ならでは、チェーンの大型書店が幅を利かせていた。
じきアマゾンを使ううち、書店で注文するより断然早いのでこちらが購入のメインに(横柄な地元老舗書店の対応も原因だ)。
この10年ほどで全国的にも書店の数が激減していったが、山口県は全国でも4位の減少率だそうだ。

レコード屋も本屋も、店に足を運んでこその出会い(商品はもちろん、時には店員も)や、そもそも店に行く喜びが大きかったのだが、店自体がなくなっちゃうんじゃ、しゃーないやな。
もう地方には大型店しかないが、大型店は概してつまらん。
とくにこういう業種はそう。
都会はまだましで、個性のある小店舗が生き残れる余地がある(多種多様な人種がいるので)。

世の中全体が激変していったこの15年ほどを地方で暮らして、よりいっそう画一化を感じた。
たまに東京に行くと実感する。
古本屋もこっちにはもうブックオフしかないし…。


近ごろは金もないので、本もめったに買わん。
図書館を有効活用しておる。
リクエスト(月一度)にも応えてくれるし、家からオンラインで蔵書検索できるようになったし。
本屋よりずっと品揃えもよい。
司書の対応もよろしい。

地方にはライブハウスもあまりないし、文化会館にはきみまろとかしか来ないので(とほほ…)、いつの間にかクラシックファンになったのが収穫かもしれない。
地方にはクラシックなら来るのだ。

やや遠いが、地方ならではの小ぎれいな小ホールなどもあって、そこでソプラノの森麻季とかギターの大萩康司を見られたのは幸運だった。
(ここにはいきなり海外の大物が来たりする)
NHK公開録音とか(いかにも地方!)、いちおう第九も見に行った。

東京に住み続けてたらここまでクラシック聴くようになったかどうか。
とにかく来るものなら手当たり次第という感じ。
(地方公演は気の毒なくらい安いのがある。2000円とか)

ためしにクラシックの雑誌など見ると、東京はもうヨリドリミドリではないですか。
ただ高すぎる。
東京のクラシックは敷居が高い。

5 件のコメント:

  1. 演奏は同じなのにね。東京価格。ハコが高いから仕方がない。

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  2. 忘れていたが、街中に一軒、老舗古書店があった。郷土史などの編纂もしているらしい。
    つぶれたレコード店の老店員が新しくできた店に移っていたのを見た時、ススキ書店の店員さんを思い出してしまった。

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  3. 昔は御茶ノ水なんかの中古レコード店に入り浸っていたものです。最近は物を増やすのが怖くて本は図書館、CDはもっぱら借りてiTunesに入れるって生活でしたが考えてみるとこれって本当に本屋さん、CD屋さんにとってはいい迷惑だったかも・・・コンサートもここ10年くらいは行っていません。興味もさることながら、確かに値段が1回1万円を越すとちょっとお小遣いでってわけにもいかないよね。昔が懐かしいです。

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  4. 中古盤を求めて、渋谷、下北、御茶ノ水…と彷徨った日々を思い出します。
    たしかにコンサートは高いけど、たまにはジャンルを問わず、街のちょっとした演奏会などに足を運ぶのもいいかもしれませんよ。

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  5. なつかしいなぁ・・・
    レコード売り場で目当てのレコードの「探し方」をmayuさんに教わったのは中一かそこらのことだったと思います。同じ頃、初めてヘッドフォンステレオを買いに秋葉原の電気店へ同行いただいたという思い出も。。お世話になりマシタ。

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