畑で野菜作りを続けるうち、野菜くらいはウチで自給できるのではないかなどと言い出すようになります。
そしてとくに収穫期の食卓などを見回して、今晩の“我が家の自給率”論議に花が咲きます。
もちろんそれは基本的な食品を自由に買える現実内での他愛もない空想に過ぎません。
現在、日本国内には約500万haの農地面積があるそうです(休耕地も含めた耕作可能面積)。
農水省によれば、その国内の農地だけで現在の日本の人口が必要とするカロリー摂取量をすべてまかなえ、その場合の食事の内容は、毎日ご飯2杯とサツマイモ3本、ジャガイモ3個、焼き魚1切れ、ぬか漬け、リンゴ4分の1個は必ず食卓に上ります。
味噌汁やうどんは2日に一度、納豆は3日に2パック、牛乳は6日に1杯、卵は7日に1個、肉は9日に一度100gだけ、油は1日に小さじ0.6杯分しか使えません。
(以上、必要最低限のカロリー量を最優先した数字です。野菜なんかはどうなるんでしょうか)
現在、内外価格差の関係で小麦や大豆の自給が落ちていますが、それを再開させたとしてもいまの人口ではこの程度しかまわってこないのです。
でもこのメニュー、じつはとても健康的ではないでしょうか。
ご飯も精白米ではなく玄米にすれば栄養度は高まるし、その他の副食の割合なども玄米食の内容に近いのです。
野菜も各家庭で季節ごとに採れるものだけを食べることになりますから理想的です。
アホくさいユートピア幻想と一蹴されるかもしれませんが、農産物完全自由化になって食料はすべて海外に、となるよりずっとマシな話です。
言いたいのは、この数字がほんらいの日本の基本ラインだということです。
現在の日本の食のあまりの不自然で不条理な有り様がよくわかると思いませんか?
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