まだ自分が住んでもいない周防大島という土地に淡い憧れを抱いて、昨年来ずっと動き続けてきた。
自分はこの土地にとって完全によそ者で口出しするような立場ではないが、それでもよそ者なりの接し方でここで何かできないかを探っている。
ここには、われわれよそ者の目にはっきりとひとつの確実な価値として映るなにものかがある。
それは都市に暮らすわれわれがすでに失ってしまったなにかで、大島の人たちにとってそれはごくふつうの、なんということもない日常の暮らしの一端なのだが、何かと引き換えにそれを失ったわれわれには、もうそれを元の形で取り戻すことはできない。
たぶん自分がこのブログで振り返ってきた15年間ずっと追い求めてきたものがそれで、あちらこちらで自分流にちょこちょこと土いじりをしながらヴァーチャルに接近してきたにすぎない。
自分には生まれてこの方、根っこを下ろす土地というものがなく、都会の片隅でふわふわと生きてきた。
だからそういう本来的なシンプルな暮らしに憧れ、勝手な想像で余分な言葉ばかりで語ろうとする。
最近ファンになっている、とある地方にお住まいの方のブログはけっして多くを語らず、1枚の写真と数行の言葉でご自身の土地の四季の営みをみごとに表現している。
かぶとびより
私のような根無し草からはけっして出ようもない、住む土地に根ざしたたしかな言葉がそこにはある。
でも、われわれ根無し草の言葉で私は私なりにあの土地と接してみたいのだ。
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