2011年4月13日水曜日

土と生きる覚悟をした人

福島在住の住職、玄侑宗久氏は今回の震災および原発事故の最前線ともいえる御自身の地所に留まり続けながら、現地の生々しい声を送り続けている。

http://yaplog.jp/genyu-sokyu/

余震に怯えすっかり心が弱ってしまったかの地の人々、原発で戦い続ける現場作業員、そして放射能汚染の“被害者”に他ならない自ら命を絶った一農家。

自死の前日、男性はしきりに“むせる”ような仕草を繰り返していたという。
玄侑氏はそれを国や市場の無情な有り様に対する“吐き気”と表現している。

30年間土に語りかけてきた人が、ある日突然一方的に出荷停止を命令されてしまう。
土作りをして種を蒔いて水を遣ってやっと育った野菜を出すなと言われる。
この時期に出荷するためには前の季節から準備してようやくここに至る流れというものがある。
その流れが無になった。
この半年ほどだけの話ではない。
今年の収穫はこの30年の努力の結果なのだ。
たとえば30年生きてきた人の価値を認めないようなものだ。
それだけ土と一体になって生きてきたのかもしれない。
出荷停止を言われてから一日の間、人格の全否定に“むせる”ように嗚咽しながら耐えていた。
一日で死んでしまうくらい真剣にしごとと向きあってきた人。


勝手に想像してごめんなさい。

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