映画“幸せの経済学”自主上映会をわが地域にて開催することになった。
全国各地でさまざまな運営主体によって、さまざなスタイルで上映会が開かれている。
われわれも自分たちの地域に相応しい上映会のカタチを探っていく必要がある。
私が上映会の場に選んだのは山口県の周防大島。
島の地形上、米はあまりとれないが、瀬戸内の温暖な気候と山の斜面を活かしたみかん栽培が盛んな他、もちろん周囲をきれいな海で囲まれ鯛やメバル、アジのほか良質なイリコ(煮干し)の産地としても知られている。
47%という超高齢化(全国一)の島だが、お年寄りたちは結構元気にやっている。
島の人たちはコミュニティ存続のために何とかしようという思いは強いが、若年者の雇用の場が圧倒的に少ない。
島の外から私のように魅力を感じて入ってくる者は結構多いのだが、どう生計を立てていくかで皆一様に苦労している。
こういう場所でどんな上映会をやればいいのか。
私なりに考えているのが、
①島の人たちに島の魅力を再認識して自信と誇りを持ってもらいたい
②(新たな生き方を求めている)島の外の人たちに島本来の良さを知ってもらいたい
この二者のマッチングのために、映画のコンセプト(グローバリズムからローカリゼーションへ)をうまく解説して双方に大きな世界観を持ってもらうこと。
まずは価値観を共有して大島で皆が有機的なつながりを持ち、これからの可能性を探っていけばいい。
そしてこれに私自身がどう関わるかというところで、“弱者の視点”を提示してみたいと考えている。
どんな人でも抱えている自分自身の“弱さ”から目をそらさず、また人の弱さにも敏感になることで、互いの弱さを補うような新たなつながりが生まれるのではないか。
大事な点はまず自身の弱さを正直に認めること。
そして弱き他者を助けると同時に、自分も誰かに“遠慮なく”助けてもらうこと。
従来のように強さを基準とすると、強い順の序列ができるばかりで一方向の流れしか生まれない。
弱者を助ける必要が生じたときはより強いものがサポートするが、それもまた一方的な援助でしかなく、強者-弱者の関係性は揺るぎないため相互の隔たりは決して埋まることがない。
弱肉強食は自然の習いだが、そのままでは人間にのみ与えられた可能性を閉じてしまっている。
それが想像力。
本来人間は自然の中ではとても弱い存在だったが、知恵によってここまで栄えてきた。
そしていつのまにか自分たちが一番強いと思い込んでしまった挙句の果てが去年の事故だ。
思い上がりがすべてに歪みを起こしているとしか思えない。
自分は弱いと感じている人は無理せず「助けてくれ!」と叫んだほうがいい。
たぶん誰かが助けてくれるはずだし、他人を助けることで自らも救われると感じる感性が人間にはあるのだ。
もう一度人間が正しく想像力を働かせてなんとかする可能性に賭けてみたい。
ひとまず私自身はすでに“弱者”宣言をした。
あとはどこまで人を助けられるか。
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