約1年、ブログをサボってしまった。
今年の金菜農園は作付けをしぼって、夏以降は(手のかからないと思われた)ダイズ・黒ササゲ豆・ワタ・さつまいもというかなり偏った編成となった。
中でも、ワタというけっして口にできない作物を酔狂にも手がけてしまった。
3年前、ワタとの出会いを書いている。
その後ここ周防大島にたどりつき、ワタの種をいただくご縁があった。
そこで、このたびは「衣の自給を目指せ」との(無謀な)目論見により、市場では貴重なオーガニック・コットンの栽培に踏み切ってみた。ワタは遺伝子組み換えのターゲットにもすでに入っている。
ネットの記事を頼りに、十分に暖かくなった6月中旬、遅めの種まきをした。1週間~10日ほどで発芽、その後は日照り続きで他の作物が弱るなか、わりと順調に育ってくれた。ネットで見たとおり、生育初期はあまり伸びず、その間、地中にしっかり直根を伸ばしていたようだ。
7月下旬、つぼみが着きはじめ、8月初旬にはピンクのかわいい花が咲きはじめた。
どうやら一日の中で花の色がピンク~黄色~白と変化していくようだ。種を分けて頂いた方は、この花が面白くて作り続けているらしい。
そして日照りにもめげず、8月の終わりごろにはワタの実、いわゆる“コットンボール”がポコポコ着きだした。とにかくこの夏は日照りと突然の雨台風などで畑の作物たちは相当参ってしまった。ワタも一時しおれかけ、風に倒された。ジョウロで気持ちばかりの水やりと、倒伏防止の土寄せ、刈り草を株元に寄せてやったりした。
9月下旬、固い実が割れ、中からワタがのぞきだす。ホントにワタがはいってる!
はじけたワタの実は雨に当たるとくしゃくしゃになってしまうので、はじけるはしから摘んでいく。思ったほどふっくらとははじけないようだ。
この秋も始まった民泊修学旅行生たちも絶好のタイミングでワタ摘みに参加した。
近所の子どもたちもワタ摘みを体験。
町から“綿繰り器”という民具を借りてきて、民泊の生徒たちはまずは摘んだワタの塊から種を取り除いた。これでとりあえずは来期の種が確保できた。
さて、次はワタをよくほぐしてから、“糸繰り器”にかけ、糸を撚(よ)る作業が待っているのだが、これはなかなか難儀らしく保留中。
さらにはできた糸を機織り機にかけて布にして、藍などの天然材料で染めにかけ…。
(以上、妄想)
ともかく、ワタは保存がきくので、しばらく次の機会まで寝かせておくことにした。
ここ周防大島という温暖な土地は栽培適地だったらしく、ほぼ放任状態でよく育ってくれた。
漫画『カムイ伝』では結構苦労していたのだが。