2011年1月28日金曜日

茶がゆの作り方

山口県の郷土料理の茶粥(サツマイモ入り)の作り方を紹介します。

(材料)
1カップ(200㏄)
7カップ
豆茶(25g)
サツマイモ1ヶ

①豆茶をあらかじめ軽く煎る
米を研がずに、水、袋に入れた豆茶といっしょに強火にかける
③煮立ってきたら大きめに切ったイモを入れる
④何度も吹き上がってくるので、煮こぼれないようにかき混ぜる
⑤かために仕上げるために30分ほどで火を止め、茶袋を取り出す

水の量が少なめなのでさらっとした感じに仕上がります。
出来上がったら米がのびないうちに食べます。

豆茶は山口では手に入れやすいですが、あまり一般的ではないかもしれません。
そもそも食糧難の時代の“カテ飯”(米不足を補うための工夫。おしんの大根飯すいとんなども)で、サツマイモも貴重な材料でした。

クセがなくあっさりしていて食べやすいお粥です。

2011年1月25日火曜日

芋掘りは楽し(後編)

さて、サツマイモはいものつるを植えつけます。
農家などでは収穫後、いもづるを枯らさないように保存しておくらしいのですが、家庭菜園ではふつう購入苗を使います。
(ちなみにサトイモは親イモを植えつけ、そのまわりにできる小イモを収穫します。この親イモのほうがまた意外に美味しいのですが)

つるの植えつけ方でできるイモも違ってきます。
土に深くさすと大きめのイモが少しで、浅くさせば小ぶりがたくさんできます。

植えつけたら根付くまでしっかり水やりして枯れないようにします。

あとはほったらかしですが、いちおう周りの草を取ったりして、気づけばいもつるがウネいっぱいに繁茂しています。
となりのウネまで広がるので、つる返しといって鎌で適当に刈り払います。
このいもづるも皮むきが面倒ですが、煮て食べればイモの香りがしてなかなか美味です。
(ちなみにサトイモの茎もずいきといって食べられます。大根も大根葉がおいしいし…)

そしてついに芋掘りですが慌ててはいけません。
イモはなるべく長く畑に置いたほうが味もいいのです
ただ寒さには弱いので霜が下りるぎりぎりの11月半ば頃まででしょう。

じつは私はこの芋掘りがヘタです。
鍬を入れるとたいがいイモを傷つけてしまうのです。
だから最近はスコップを使ってていねいに掘り取るようにしています。
芋掘りの時はいつも誰か子どもに掘らせてやりたくなります。
一度高校時代の友人が山口まで遊びに来て、いっしょに芋掘りをしましたが楽しかったですね。

前に書いたように、サツマイモは保存方法を誤ると“風邪”を引きます
発泡スチロールの箱などに入れ、すくも(米の籾殻)や新聞紙などでくるんでおくといいでしょう。


2011年1月23日日曜日

芋掘りは楽し(前編)

畑を始めた当初はイモを植えるのはつまらないと思っていましたが、イモ掘りの楽しさから毎年の定番となりました。
もちろんサツマイモのことです。

サツマイモはやせた土地でもよく育ち、この先食料危機の不安もあるため、自給体制を整えておこうという意気込みで我が家では取り組みました(なんちゃって)。

5月の終わり頃にウネを深く深く耕します
イモの肌が荒れるので、なるべく石ころなども取り除いたほうがいいでしょう。
例年この時季は体調が思わしくなく、この作業がつらかったのを思い出します。
そして周りから土を集めてなるべく高くウネを上げます

いまふと思いましたが、これまで各種野菜の栽培のことを書いてきて、肥料に関してほとんど触れていません。
まったく手落ちです。
ですが、我が家の畑では以前書いた生ゴミ堆肥の他はほとんど肥料を入れてなかったことも事実です。
せいぜい油かすか、有機配合と書いてある(あまり信用できませんが)のを買ってきて使ったくらいです。
なにしろ肥料類は高いんです。
でも毎年作物を作っていれば地力は落ちるはずで、はたして生ゴミを埋めるだけでいいのだろうかとたまに考えることもありました。
ただ生ゴミ堆肥の微生物の働きには期するものがありました。
畑の土にはわりとミミズも多く、掘り返しているといつも鳥がやってきて人間が帰るのを待っていました。

要するにたいていウネを作るときは元肥というやつをいれるのですが、とくにサツマイモの場合はテキトー。
雑草を刈って畑の隅にほかしていたものを入れたりしたかもしれません。

肥料の話が入ったので長くなりそうです。
いったん切って後半は次回。

2011年1月19日水曜日

季節の移ろい

東京を離れて地方へ移ってから、季節ごとの草木の移り変わりが気になるようになりました。

もちろん東京の街も木々は豊富なのですが、年のせいもあってか、そういうことに心が向くようになったようです。

下田では、もう1月から水仙が香り始めます。
そして菜の花コブシ木蓮レンギョウ
街の桜から少し遅れて、山のあちらこちらに山桜が色づいています。
桜が散り終わるといつの間にかハナミズキが咲き、新緑の頃からはツツジがしばらく続きます。
我が家の庭のアジサイは咲いたり咲かなかったり気まぐれですが、土の酸性度によって色づきが変わるそうです。


タチアオイが伸びているのを見ると夏が近いのを感じます。
庭のジャスミンは雨の後、そしてなぜか夜にいっせいに匂い立ちます。
夏の庭にはほかにもノウゼンカズラのオレンジ、芙蓉(ふよう)のピンクと色とりどりです。


木槿(むくげ)の木、とくに八重咲きの花が好きです。
葵(あおい)の花(むくげもアオイの仲間です)になぜか魅かれます。


彼岸の頃には田んぼのまわりに彼岸花の赤が点々と見えています。
イチョウの並木が色づき、拾いきれない銀杏の実は通学の高校生に嫌われます。
やはり匂いで気づかされるのがキンモクセイ
イチョウの黄色は紅葉の山の中でひときわ目につきます。

冬の庭、山茶花(さざんか)の花は散るのに、椿はなぜか斬首のごとくポトリと花を落とします。
ツワブキの黄色の花も寒い庭の彩りです。

なんだかダラダラと、庭を見ていれば当たり前の景色を書き連ねてしまいました。
でも田舎に来て、木や花の名前をずいぶん覚えたものです。

2011年1月15日土曜日

ズッキーニが好きで…

たいがいの野菜は別に好きも嫌いもなく、収穫すれば皆それなりに嬉しいものですが、ズッキーニという野菜に限ってはなぜかとても期待感を持ってしまいます。
夏作の果菜類は概してそういう遊び感覚のようなところがあります。

カボチャの仲間です。
カボチャは花が咲くと人の手で受粉させなければいけないと聞いていて、たしかに以前カボチャもズッキーニも一度は作ってみたものの、手がかけられずほったらかし状態でロクに実がなりませんでした。
ところが去年は山あいの畑という条件の違いのせいか、みごとに豊作。たぶん勝手に虫がやってくれたのでしょう。

トマトなどと違って、種からでもわりとラクにできるらしいのですが、今回は横着して苗を買ってきました。
やはり保温の覆いをして根付いた後は、まめに水遣りしてやると育つ育つ、5メートルのウネに3株だけ植えたのですが、巨大な株になりました。
ただ株元が弱く、不注意で1本折って枯らしてしまったのは残念でしたが、2株で十分食べきれないほどの収穫でした。

ズッキーニという野菜は味自体は淡白、ただあの独特の食感、歯触りが炒め物などで存在感を発揮します。
輪切りにして炒めて使うワンパターンですが、他に調理法があれば教えていただきたい。
カボチャは冷凍すると水っぽくなりますが、ズッキーニはどうなのでしょうか。
食感が損なわれてしまう気がするし。

2011年1月9日日曜日

夏野菜の主役?

家庭菜園で誰もが作りたがるのがトマトだそうです。
そして一番やっかいなのがこのトマトなんです。
畑を始めた当初の2年だけやったきり、やめてしまっていたトマトに去年久しぶりにトライしました。

春になると、園芸店やホームセンターには多種多様なトマトの苗が並びます。
最近ではとくにミニトマトの種類が豊富で、フルーツトマトやらイタリアンタイプなど目移りしてしまいます。
ミニのほうが比較的作りやすい気もします。
ナス科のトマトはナスに接ぎ木した接木苗というのがあって、割高ですがこちらを選んだほうが病気にも強いようです。

トマトの畝は広めに取って2条植えにします。
繁茂するので株間も広くします。


買ってきた苗はポリポットの土ごと植えつけたらたっぷり水遣りをして、根付くまで周りをポリの肥料袋などで覆って保温します。

早いうちに長めのしっかりした支柱を立て、麻ひもで順次固定していきます。
2条植えなので差し向かいの2本の支柱を斜めに交差させて結束し、5メートルほどの畝ならこの交差が4ヶ所ほどできるので(つまり全部で8株ということになりますね)、その上から畝に平行に交差の又の部分に補強用の支柱を通し、しっかり固定させます。
(言葉で説明するの大変…)

伸びるにしたがって、主枝からわき芽がどんどん出て枝分かれし繁茂するので、早いうちにわき芽を手で摘み取ることが肝心です。
主枝だけ伸ばした1本立てのほうが出来る果実の質もいいようです。

こうして色々気を使い苦労しても、大抵何株かはウイルス性の病気にやられてしまうのです。
秋に収穫を終えて片付ける時も、ウイルスが畑に残るといけないので、枯れ枝を焼却などしてしまったほうが無難でしょう。
ジャガイモも同様になるべくイモの取り残しがないようにします。

トマトはジャガイモやナスなどとは違って、根付いた後は極力水遣りを少なくしたほうがよく育ちます。
たぶん逆境に置かれたトマトの根が水を求めてしっかり伸びるからでしょう。
イネの土用干しと同じ理屈ですね。
(これ人間にも当てはまる)

トマトが実ったときのあの強い匂いもトマト作りの魅力かもしれません。
畑に入った誰もが、ああトマトの匂い、などと言います。
でも残念なことに、なかなか昔のあのトマトの味に出会えることはありません。
今は皆一様に甘く水っぽい品種ばかりになってしまいました。
(ミニトマトのほうがまだ味わいがあるような気がします)

トマトやきゅうりなどの夏の果菜類は次々に実がなるので、毎日収穫し続けなければならなくなり、売り捌くかどうかしない限り、どうにかして食べる工夫が必要になります。
だからそもそもの植える株の本数を、病気にやられることも見越して何本にするかから考えなければなりません。
下田での最初のトマト作りで思い知ったトラウマ体験です。
あの時はほかにもきゅうりやピーマンが豊作で…(笑)。

とはいえ畑で採ってきたトマトをナスやピーマン、かぼちゃなんかと夏野菜のラタトゥーユにしたら、簡単だけどわりと飽きずに食べられて、ああトマト作りも悪くないなと思ってしまったりします。

これだけあれこれ書けてしまうトマトって、やっぱりあんたが主役だよ。

2011年1月6日木曜日

インゲン豆

以前にも書きましたが、春物はトウ立ちしやすいのであまり積極的ではなかったのですが、ジャガイモやニンジンの他、インゲン豆がわりと作りやすく定番となりました。

同じ豆でも絹さやグリンピースは晩秋に種をまいて冬越しして初夏どりですが、インゲン豆は暖かくならないと発芽しません(4月の終わり頃)。
つる種つるなし種とがあり、なんとなくつるが茂るのもイヤなので、ウチではもっぱらつるなしでした。

種をひと晩水に漬けておき、1ヶ所に2~3粒ずつ、“千鳥(ちどり)まき”(千鳥が歩いた後のように左右互い違いに間を空けること)します。
ウネ幅は1メートルくらい。2週間ほどで発芽します。
約1ヶ月で白い花が咲き、気づくといつの間にか実がなっています。
実がなると重みで主枝が折れやすいので竹などで支えをします。
株自体はそれほど大きくならず、せいぜい50センチくらいでしょうか。
種をまいてから2ヵ月あたりから順次収穫していきます。
一時にまくとやはりいっせいに実がなってしまうので、時差まきでいけばわりと長く楽しめます。

豆類はとくにダイズがそうですが、まいた当初は鳥に狙われやすいので、発芽するまで寒冷紗(かんれいしゃ)などで覆いをする場合もあります。

それから一番肝心なのは連作しないこと。
豆の根は土中の窒素分をよく集めるので窒素過多になってしまうためです。
最低4年は同じ場所に豆類を植えてはいけないといいます。

インゲンは肉や魚の添え物にするのが好きです。あのキュキュッとした食感がたまりません。